転生したらCMDRだった件 第1話 「宇宙」

トラックに跳ねられた時、目の前が真っ白になって「あ、死ぬなこれ」と思ったことは覚えてる。

ドクン……ドクン……鼓動のような音がどこかで…

気がついたら妙にSFチックな…車?

いや、飛行機のコクピットのような椅子に座っていた。

目の前には車にしては細いフレームでいくつかに分けられたフロントガラス、その向こうには巨大な岩が無数に浮かぶ暗闇が広がっていた。

「な…んだ?これ」

窓の下の方に明らかに人工物っぽい装甲車みたいなのも見える。

人が居そうなことに少し気が和らぎ、良く見るため身を乗り出そうとして…

身体が固定されてることに気づいた、視線を落とすとシートベルトだ。

手元にあるのはフライトシミュで使うようなスティックとスロットル、左手脇にキーボードがあるが、どれを触ってみても反応なし。

「宇宙船?なのか?」

大きめのダッシュボードのような棚が目の前にあるけど、スイッチのようなものは見当たらない。

シートベルトの外し方もわからず、先程の車っぽいものに視線を向けたところで…

Anybody(中に誰か) in there?(いる?)

突然、耳元で英語が聴こえてきた。女性っぽい声。

どうやら椅子のヘッドレストにスピーカーが内蔵されてるようだ。

そう思った瞬間、相手の英語を日本語で理解していることに気づく。

あれ、英語は苦手なんだけどな…と思ったが、考えさせる間もなく、声が続けてくる。

Hey,(ヘイ、) pilot!(パイロット!) Do you (聞こえ) read me?(てる?)

「パイロット?オレのことか?それよりここは何処なんだ?あんたは?」

と次々に口に出していた。もちろん日本語でだ。マイクがどこにあるのか知らないが、これが電話みたいな双方向の同時会話が可能なものなら向こうに伝わったかもしれない。

その様子(You look ) だと助け(like you)が必要(‘ve got)そう(yourself) だね(in a fix.)

……どうやら聞こえてないようだ。

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